歩いて

「おいしかった。果菜、ごちそうさま」



勇太は食べ終わると、私に言った。



そっかー、今日はわたしがおごるって言ったもんなー。



遅刻したお詫びだもんね。



「今日だけだからね」



私は念をおし伝票を持ち、出口にむかう。






出口には、今から食事する人たちがたくさん待っていた。




私は、会計をすませる。



勇太は人がいっぱいいるので先に外に出ていた。



おつりをもらい、自分の財布に入れるのをもたもたしていた。



そんな私に後ろから肩を叩かれる。



邪魔だよね。



私は、やっと財布にお金を入れ、振り返り、



「すいません」



謝る。



「相変わらず、どんくさいな」



…。