歩いて

「おいしい。ここのパスタが一番おいしい」



空腹だった私は感動の声を出す。



「そうだな」



大口を開けて食べている私をじっと勇太は見ている。



「…何?そんなに見られたら恥ずかしいんだけど」



「ごめん。すごい食べるなーって思って」



「悪い?おなか空いてふらふらだったから」



「わかった、いっぱい食べろ。俺の分も」



勇太は、自分のパスタを差し出す。



「どうしたの?おなか空いてないの?」



不思議そうに見る私に笑顔をみせ、



「いや、なんでもない。やっぱり食べる」



勇太は自分のパスタを頬張った。