歩いて

お葬式の日。



雨が降りそう。



もう秋なのに今日はむしむしとする。



私は、焼香の列に並ぶ。



たくさんの人が列に並んでいる。



由亜の学校の制服を着た人がたくさんいる。



みんな、うつむき、涙を見せる人もいる。



私はじっとそんな人たちを見ていた。



みんな由亜のこと知ってるのかな。



ただ同じ学校で、同じ年齢。



由亜と自分をだぶらせてるの?




これから楽しいこともたくさん待っていた。



勉強して、大学に入って、就職して。



恋をして、結婚して、子供を産んで。



でも、由亜はそれを叶えることができなかった。



それを考えるとみんな不憫に思う。



だから、悲しい。




由亜という存在をなくしたからじゃない。



もう、由亜と話すことも一緒に笑うこともできない。




それを残念に思ってる人はどれだけいるの?