歩いて

「…由亜、果菜が来たよ」



直斗は優しく由亜に話しかける。




「…」



「由亜、言ってやれよ。果菜のバーカって」



私は、なにかに引き寄せられるように無意識に由亜のベッドへ歩く。




カーテンを開けると、まっすぐ仰向けに寝ている由亜。




目を閉じてる。




寝てるの?




こんなにうるさいのに目をあけないの?




早くいつものようにベッドをおこしてよ。




私、いっぱい話があるのに。




謝りた。




私の気持ちを伝えたい。




起きてよ。





久しぶりにあったんだから。