歩いて

その奥に快斗と直斗の姿が見えた。




2人とも来てたんだ。




由亜と真剣な話をいまからするのに聞かれたくないな。




それに、2人と会うのは気まずい。




直斗、怒ってるだろうな。




快斗も、私に苛立ってるだろうなー。




「…果菜」



直斗が私に気づいた。




その声に由亜の母親もこちらをみる。




「…果菜ちゃん」



目を真っ赤にさせ私を見る。




「みんななんで外にいるの?由亜が変に思うでしょ」



「…果菜?」



「直斗、どうしたの?そんな怖い顔して」



「…果菜?」



「みんなおかしいよ、そんなに暗い顔をしてたら由亜が不安になるでしょ、笑って」



「果菜、お前何考えてんだ」



快斗が珍しく怒ってる。



「快斗」



直斗は快斗をとめる。



「私、由亜に話あるから入るよ。由亜、ひとりぼっちにしたらだめでしょ。寂しがり屋なんだから」



私は、病室を開けようとする。



でも、扉は開かない。