いつものように授業があり。



いつものように友達と話をしたり笑いあったり。



何もかわらないいつもの一日。



5時間目の授業が始まるまで。





5時間目。



大嫌いな古典の授業。



私は、興味なく教科書を見ている。



すると、教室の前の扉が勢いよく開けられる。



その音でみんながそこを注目する。



担任の先生の姿があった。



「すいません、授業中。春川ちょっと」



えっ?



私?



先生は私に外に出てくるよう促す。




どうしてだろう、私は今からなにを言われるかわかっていたような気がする。



それからどう教室の外に出たかわからない。



胸が熱くなっているのがわかる。



耳がキーンとしている。



どうしよう、先生の声がちゃんと聞けないかも。



そうだ、私古典の宿題やってなかったんだ。



怒られるだろうなー。



「おいっ、春川しっかりしろよ」



先生に肩を叩かれる。



ふと我に返る。



先生の顔が強張っている。



「ごめんなさい、先生。さっきなんて言ったか聞こえなくて」



私は、少し笑みをもらす。



「…さっきお前の友達の母親から電話があった。牧田由亜さんがさっき亡くなったって」



「…」