歩いて

駅の構内に向かい、私は、ドキッとした。




改札から快斗が出てくる。



そして、その後ろから女子高生。




快斗はその子に笑顔を向ける。




…掛井実咲?




どうしてこんな所に…。




由亜のところにいくの?




2人で?




快斗も私に気づき、近づいてくる。




今は会いたくなかった。




2人でいるところなんか見たくなかった。




「果菜、由亜のところに?」


私はうなづく。



「この人、掛井実咲さん。わかってるよね」


掛井実咲は私に会釈をする。



こいつが由亜をいじめていた。



私は、ずっと掛井実咲を見つめていた。



掛井実咲は不思議そうな顔をしている。



どうしてこんなに涼しい顔をしてられるの?



「今から由亜のところに行くんだ」



なんで快斗はそんな冷静に由亜のところにこんな子といけるの?



わからない。