「遅い、由亜、快斗」



「ごめん、果菜」



「暑いし、蚊がいっぱいいるし、直斗がうるさいし」



「うるさいって。俺は、お前達の保護者」



「何それ」



「高校生だけで花火なんて危ないだろ」



「何が?」



「火を使うし、変な人にからまれたらどうする」



「うるさい、おじさん。由亜、花火しよう」



「おじさんって、俺は22歳の学生だ」



「快斗、打ち上げ花火しよう」



「おい、果菜。俺を無視するな」



「はいはい」



花火が4人を照らす。



花火が消えそうになると、また誰かが火を灯す。



花火の光は、消えない。