歩いて

快斗と直斗と私は、病院を出た。



3人ともなにも話をしなかった。




しばらく歩き、直斗は大学に戻ると一人駅へ向かった。




私と快斗は2人なにも話さず歩く。




ゆっくり話をしたかったけど、2人っきりになると話づらい。



「直斗と一緒にいたんだ」


「うん」


なんか気まずい。



「昨日のこと…ごめん。俺、いらいらして」


「私のほうこそごめん。快斗に甘えてた。私、快斗とちゃんと話ししないといけない」



快斗は改まって言う私に不思議そうな顔を向ける。



「由亜のこと。私、もう由亜と一緒にいるのが疲れて…だから2人と違う高校に進学したの。由亜のことが嫌いになったわけじゃない。でも、そばにずっといるのが疲れたの」


「…」



快斗は何も言わない。




前を向き、歩いている。



「ごめんね。それなのに、快斗のこと責めたりして。自分でも勝手なことを言ってるのはわかってる。本当にごめんなさい」



「…」


快斗、怒ってる?



幻滅したよね。



ごめん。