歩いて

次の日、何も答えがわからないまま学校が終わる。



校門を出ると、そこに直斗が立っていた。



「…」


「携帯みた?」


私は、急いでかばんから携帯を出す。



メールの着信。



直斗からだった。



-帰りに話がある-


「やっぱり見てないんだな」


「…ごめん」


「いいよ。行こう」





私と直斗は近くのファストフードのお店に入る。



「今日はおごってやる。食え」


いつもとかわらない直斗。



私の目の前に大好きなてりやきバーガー。



「青白い顔して、どうせあれからちゃんと食べてないんだろ?」



私はうなづく。



あれから家に帰ってもなにも手につかなかった。



食べることも、寝ることも。



「早く食え。食べないと俺が食う」


直斗は、てりやきバーガーに手を伸ばす。



私は、とっさにてりやきバーガーをつかみかぶりつく。



…おいしい。



こんなにおいしかったっけ。



私は無心に食べる。



「直斗、アイスティー。ストレートで」


「果菜ー、それは自分で買え」


「ケチ」


直斗はアイスコーヒーを飲みながら、私が食べ終わるのをじっと待っていた。