歩いて

自分の愚かさを自覚した。




由亜のことを守るって誓ったのに…。




由亜が辛い時に何もできなかった。




気づきもしなかった。




由亜から逃げて。




由亜を守ることもできない。




由亜の背中がとても儚く感じた。





しばらくの沈黙。



沈黙を破ったのは由亜だった。



「ごめんね。私、いじめられてたの。みんなに相談しなくてごめんね。…快斗もごめんね」



そう言い、かばんを持ち部屋を出て行った。



由亜を追うことができなかった。




自分にはその資格すらない。




由亜にどう話かければいいかわからない。




「俺、由亜のこと送ってくるから」



直斗が由亜の後を追った。