「直斗、ジュース」


「果菜、ここは喫茶店じゃないから。どうして自分の家に帰らないかなー」


「みんながいるから。それより、大学生がこんな時間に家にいる方がおかしくない?もしかして友達いない?」


「今日はたまたま休講になっただけ」


「ふーん。そうだ由亜、快斗と一緒じゃなかったの?」


「用事があるから先に帰ってって」


「そうなんだ」


いつものように快斗の家に集まっていた。



いつも集まるのが当たり前になっていたから。




「ただいま」



快斗が帰ってきた。



「みんないるんだ」



快斗の顔が疲れているのがわかった。



「大丈夫?」



由亜は心配そうに話しかける。



「由亜、かばん貸して」



快斗は由亜のかばんを探す。



…?



由亜はかばんを抱き込み、うつむいた。



「どうしたの?」



由亜の肩に手をおいた。



由亜がびくっとする。




「快斗もどうしたの?」



快斗の表情も硬い。



私と直斗は訳がわからず2人をみている。



「なんかあったらすぐに俺に言えって言ってたのに。自分ひとりでなにかしようと思うな」



快斗の口調が怖い。



「掛井実咲に告白された。今日からつきあうことになった」



由亜の顔が固まった。



何言ってるの?



告白されてつきあう?



掛井実咲って誰?



そんな名前初めて聞く。



どういうこと?



由亜の頬に涙が流れるのがわかった。