また暑い夏がやってきた。




勇太とお墓参りに来た。




由亜のお墓参り。




今日は由亜の命日。




由亜のお墓はきれいに掃除され、もう家族が来たのか、きれいな花と線香の燃えかすがあった。




私は、持ってきた花を供え線香を立てる。




そして、勇太と静かに手を合わせる。




「…果菜、駐車場で待ってる」



「うん」



勇太は気を遣ったのか、一人先に駐車場に戻った。




私は、由亜のお墓を見つめる。




「…由亜、今日は本当に暑いね、もうすぐ秋なのに」



風が私に吹き付けた。





「由亜…。
また来るね」




いつも、こう言ってお墓から帰る。




由亜が見ていてくれる気がするから。




由亜が私達のことを守っていてくれる気がするから。




私は、忘れない。