歩いて

「…」



手紙を読み終える。



「…果菜?」



快斗が私を見る。



私は立ち上がり、



「由亜ー、戻って来たよー」



海にむかい大声で叫ぶ。



「果菜?」



快斗は、不思議そうに見る。



「快斗も言って、戻ってきたって」



「なんで」



「いいから、早く」



快斗はわけのわからないまま立ち上がり、



「戻ってきた」



普通の声で言う。



「そんなんじゃ、聞こえない」



「なんだよ、わけわかんねー。
戻ってきたー」



やけくそに大声で叫ぶ。



「…」



由亜聞こえた?




すごく遅くなったけど、由亜の気持ち受け取ったから。




また、前みたい戻ったから。