歩いて

泣くのが落ち着き、私は、ハンカチで顔を拭く。



「果菜ちゃん、おいしいケーキ買っておいたから一緒に食べよう。
いつも、主人と二人でケーキなんか食べなくて。久しぶりに若い女の子と話するから、おばさん楽しみで」



そう言いながらケーキと紅茶が出された。



「いただきます」



私は、ケーキを頬張る。




「そうだ、この間由亜の部屋を片付けてて、入院中の荷物から便箋があってね。果菜ちゃんあてにだと思うの。内容は読んでないから。…果菜ちゃんが持っててくれる?」




入院中に由亜が書いた手紙。





私は、その手紙を受け取りかばんに入れた。





しばらく、母親と話をし、私は由亜の家を出た。








そして、私はもう一つの約束のためバスに乗った。