「すごくきれいだね」


「ありがとう、知香」


「私も、早く結婚したくなった」


結婚式が終わり、チャペルの前で歓談する。




チャペルの周りは、桜が満開だった。




「勇太、果菜のことこれからずっと守っていってあげてね」


「もちろん…」


「えっ、勇太泣いてる?」


知香にひやかされる勇太の目に、涙が見えた。



私は、2人を見て笑った。




「…」



その時、強い風が吹く。





桜吹雪。






…由亜?






ふと、そう感じた。





…由亜、ありがとう。





私の頬に涙が流れる。