歩いて

その夜、直斗から電話がきた。




快斗の急変。





息が止まる。





胸がえぐられるような感覚。





私は、深夜の街を走り病院へ向かっていた。





病院の静けさ。




真っ暗な病棟。




でも、ここだけは騒然とする。




快斗の病室。




明かりは灯り、人の出入りが激しい。




こんなことは何回も経験している。




看護師として、命が消える時を見ること。




でも、今は違う。




私は、身内側にいる。




不安で、立っていることもままならない。




医師や看護師の動きに、いちいち敏感になる。




病室前に快斗の両親と直斗の姿。




前にもこんなことがあった。






そう、由亜の時。