歩いて

快斗は、そういう風に考えてるんだ。




自分らしく。




死に対して考えてる。




由亜の死をみたから?







快斗の母親は、しばらく休むと、そのまま座っていた。




私は、一人病室に入る。






個室になっている病室。




ドアを開けると、ベッドに横たわる快斗の姿が見えた。




酸素マスク、点滴。




この間とはまったく違う姿。




快斗は、目を閉じている。




私は、ベッドサイドの椅子に座る。




「…」




快斗は気配に気づいたのか、目を開ける。




「…果菜」




か細い声。




「…しゃべんなくていいよ」



「…」



快斗はうなづく。




こんな姿を見ると、快斗が本当に病気だって思い知らされる…。




呼吸も早く、目に力がない。