歩いて

「果菜…」



「快斗が入院したって聞いて」



私は、すがるように直斗に聞いていた。



「しっかりしろよ。果菜は看護師だろ。
快斗は大丈夫。本人の意識もしっかりしてるし」



その言葉を聞いて、少し安心した。



「仕事が終わったら、快斗に会ってあげな」



「うん…」



私は、自分の病棟へ戻る。







看護師だけど、冷静になんかなれないよ。




親友が重症って聞いたら、冷静でなんかいれないよ。




でも、直斗が大丈夫っていうんだから一安心。




こんなはらはらすることは、もう嫌だ。




快斗が元気になったら、なんかご馳走してもらおう。




心配させた罰。




でも、学生だからお金がないか。




仕方ない、ファストフードで我慢してやるか。







私は、退院後のことを考えていた。