歩いて

それからしばらくは、快斗からも直斗からも連絡はなかった。




私から、連絡をすることもなかった。







「果菜」


昼休み、食堂で遥にあった。


「お疲れ」


「お疲れ。
昨日、夜勤帯で果菜の友達の藤野快斗さん入院してきたよ」


「…なんで?」


胸が急速に鼓動する。



「肺炎で。担当チームじゃないから詳しくはわからないけど、重症みたい」



「…」


重症?




この間は、あんなに元気だったのに…。




快斗…。




嫌な感覚がよみがえる。




だめ。







それから、自分がどうしたかわからない。




でも、気づいたら快斗の病棟の前にいた。




快斗に会いに行くの?




なんでこんなに動揺してるの。




そんな簡単に快斗がどうこうなるわけはない。




私は、自分の病棟に戻ろうとすると、直斗の姿に気づいた。




直斗も私に気づく。