「果菜の彼氏ってどんな人?」


快斗は、真剣な顔をみせる。



「すごく安心できる人。
私のことを大事に思ってくれる人」



勇太に感じたことを言った。



「ふーん。なんか、そういう風に言われたら辛いかも。
太刀打ちできない」


「…」


「その人にはなんでも話してるのか?」


「うん。
快斗のことも知ってるし、由亜のことも知ってる」


「そうなんだ…」




それから快斗は何も言わなかった。




真っ暗な海をじっと見ていた。







「快斗、また前みたいになれるかな」




私は、ふと思ったことを話していた。




「…なれるよ。
また、前みたいに話したり、花火したりできる」



「うん」



快斗の横顔を見る。




高校生の頃を思い出す。




快斗のことが好きだったころのこと。




快斗に気持ちを伝えることができなかった。




でも、伝えなくても、私達はもっと深い絆でつながっていると思っていた。




でも、由亜の死で絆はもろく壊れた。




またこうして出会い、気持ちを伝えあうことができるなんて思わなかった。