歩いて

「お待たせ。
色々買ってきたから食べよう。果菜もお腹空いただろ」



直斗が戻り3人でテーブルを囲んだ。



「そしたら、快斗お疲れ様ー」



ジュースで乾杯をする。



そして、3人で食べ始める。



なんか、すごく違和感を感じる。



久しぶりっていうのもあるけど…




もう一人、ここにいつも由亜がいた。




やっぱりこうして集まると、昔を思い出す。



快斗と直斗は?




こうして前みたいに集まるのは、本当に嬉しい。



でも、由亜がいないことがとても不自然。




「果菜が看護師になったのは驚いたな」



直斗が話す。



「看護師になりたいなんて聞いたこともなかった」


「高校3年の時に決めたから」


「それって由亜のことがあったから?」


…。


快斗の口から由亜の名前が出てきたことに驚いた。



直斗も快斗の顔を見ている。



快斗は平然としている。



別に由亜のことを言ってはいけないことはない。



でも、由亜のことがあって私達は変わった。



「…快斗は、由亜が亡くなってからどうしてた?」



私は、急に聞いてみたくなった。



「悲しかったよ。いつも一緒にいたから。
でも死んだらそれまでだろ。俺は生きてるんだから」



「…」



快斗は話し続ける。



「しばらくは自分のことを責めたよ。俺が好きでもない子と付き合ったことで、由亜の病気に影響したのかなーって。でも、そんなこと悩んでいても仕方ないことって思った。
そしたら、自分が病気になった」



快斗は笑いながら話す。



笑えないよ。




私は、由亜のことはまだ終わったことじゃない。




そんな簡単に決着なんかつかないよ。




答えがみつからないから悩み続けた。




でも、快斗はもう過去の話なんだ…。