「早く着きすぎた…」



快斗の家の前。




お土産のお菓子を持ち、快斗の家の前をうろつく。




以前なら勝手に玄関を開け、家に入っていた。




そんなことなんか今は絶対できない。





「…どうしよう」




途方に暮れる私の背後から声がした。





「果菜?」




快斗の声。




振り向くと快斗が立っていた。




「…」




ドキッとする。




「早いね。直斗、もうすぐ帰ってくると思うから」




快斗は、以前と変わらない様子で私を家の中に促す。




私は、促されるまま家の中に入る。




久しぶりの快斗の家。




何も変わらない。




玄関の感じも、家の中の感じも。




懐かしさが私を包む。