「果菜、大丈夫?」



「…ありがとう」



勇太の顔を見上げる。



「…涙で、顔ぐちゃぐちゃ」




勇太の笑顔。



「もー」



私は、勇太から離れようとするが、勇太はぐっと力を入れる。




「…勇太?」



「…果菜、俺が守ってやるから。
俺も一緒に果菜と歩いていくから」



勇太の真剣な顔。



「ありがとう」



ありがとう。




ありがとう。




この言葉しかない。




ありがとう。




勇太は私に優しくおでこにキスをした。




「…」




「ここまでにしないと本当に仕事に戻れなくなる」



私は、ギュッと勇太を抱きしめる。




すごく心地よい温かさ。




「果菜ー、本当にかわいいなー」



私達はしばらく抱きしめあっていた。