どのくらい時間がたったのかわからない。




あたりはもう真っ暗だった。




「…大丈夫?」




勇太の優しい声。




勇太の胸に顔をうずめながらうなづく。




そして、大きく深呼吸し、勇太から離れる。




「…ありがとう」




「俺、やばい。このまま果菜とずっと一緒にいたい」




勇太の顔を見ると暗くても真っ赤なのがわかった。




「…」



「まだ仕事が途中だから帰らないと…」


「ごめん。はやく戻らないといけないね」


「そうだけど…もう一度」



そう言って、私をまた抱きしめた。



「…」



「もう少しだけ」



私は、うなずいた。




私も、しばらくこうしておきたかった。



「…嬉しかった。果菜が初めて自分のことさらけだしたみたいで。
時々、果菜は俺といて楽なのかなーって不安になる。
なんでも、話してくれたらいいし、愚痴でも、泣き言でも、嬉しいことも、恥ずかしかったことも。
果菜が思ったこと、感じたこと全部知りたい。
俺、果菜のことなんでも受け止める。
果菜が好きだから。
大事だから」



私は、また涙を流していた。




勇太の気持ち、すごく嬉しい。




私は、勇太を不安にさせるばかりなのに、こんな風に私を思っていてくれた。