歩いて

「…ごめん。…ごめん」



やっと絞り出した声。



「…勇太に言ってあげて。
私は、果菜のことも勇太のこともとても大事な親友だと思っている。
2人が幸せならそれでいいの」



知香…。




ありがとう。




「ありがとう」




「もういいから、はやく勇太とちゃんと話してね。
電話切るから」




知香の電話が切れた。




私は、そのまま携帯を握りしめていた。





ありがとう。





ごめんなさい。