歩いて

数日がたった。



あれから、勇太から電話もメールもこない。




私も、どう話しをしたらいいのかわからないから電話もメールもしなかった。




すごく、怖い。







そんな時、知香から電話が来た。



なんか、予想はつく。



「もしもし」



「果菜。…元気?」



恐る恐るという感じだった。



やっぱり勇太から聞いたんだ。



勇太は、なにかあるとすぐに知香に相談する。



中学からの付き合いで、仲がいいのはわかるけど…。



「勇太から聞いたんでしょ」



「うん…」



「勇太は、知香になんでも報告するんだね」


皮肉っぽく言った。



言いたくもなる。



私に、何も言わないで、知香には自分の気持ちを伝えるって寂しい。



「違うよ。勇太は怖いんだよ」






「なにが?」



「…由亜さんのことに関すること」


「…」


なんで?


「果菜が辛かったこと知ってるから。
勇太や私が踏み込んだらいけないって思っているから」



「…」



「勇太は本当は、果菜が快斗さんに会うのが怖いんだよ。
果菜がここまで元気になったのに、会うことでまた自分を責めたりしたらとか、落ち込んだりしたりとか、色々考えて、どうしたらいいのかわからなくて私に相談してきたの」



「…」


何も言えなかった。




勇太がそこまで考えているなんて思わなかった…。



「会うなとは言えないし。言ってはいけないって思ってるんじゃないかな。
本当は不安で仕方ないのに。…果菜、快斗さんのこと…好きだったんでしょ?」



「…」