歩いて

「…そういえば、果菜の彼氏ってどんな人?」



遥は私を食い入るように見る。



「高校からの友達。つきあったのは看護学校の時かな」


「えーーー。あの時彼氏いたんだ。全然わからなかった」


遥は、大きく目を見開いてる。




学生の頃、遥とそういう話しなんかしなかった。




たぶん、お互いそういうことに縁がないと決めつけていたからかも。




失礼な話しだけど。




あれから、何年も経ってこういう話しをするなんて思いもしなかった。



「そんなに驚かなくてもいいじゃない」



「ごめん。
で、何してる人?」


「サラリーマン」


「何歳?」


「同い年」


質問攻め?


「で、結婚は?」


…。


「もー、いいじゃない」


「そこ重要」


「うーん。
いつかはしたい」


「そういう話しは出てるの?」


「まー、ちらほら」


「おめでとう」


遥の満面な笑顔。



私は、圧倒される。



でも、こんなにストレートに「おめでとう」って言われて素直に嬉しかった。




「ありがとう」





自然に出た言葉。