歩いて

店員さんに一番高いハンバーグのセットを注文した。



直斗も同じものを注文する。




「相変わらず、遠慮がないな」



直斗は、笑顔を見せる。



なぜかその笑顔を見、安心する。



「結構稼いでるんでしょ」



「まさか、少ない給料をやりくりしてるよ。果菜の方がお金もってるよ」



…。



結婚してるの?




ふとそう思った。




左手の薬指をみるが指輪はしていない。




私の目線に気づき、



「まだ独身。果菜は?」



「…」



勇太のことを思い出した。



「まだ」




その時、注文したハンバーグが運ばれてきた。



「早く食え」



「うん」



私と直斗は、ハンバーグを無言で食べた。