「果菜、この服大丈夫?」



「大丈夫。かわいいって」



「なんか、気持ちがこもってない」



同じ高校の山下知香が、今日初めて着る服のことをさっきから気にしている。



「なんか、私すごく張り切ってるみたいじゃない?」



「そんなことないよ。似合ってるし」



「そうかなー。あー、緊張してきた」



今日は、知香と同じ中学だった男の子二人と、私と知香の4人で遊ぶことになった。


コンパみたいなもの。


知香と同じ中学だった子とは、知香と同じテニス部で気が合う友達。


違う高校に進学したけど、時々連絡をとっている。


そして、今日は久しぶりに会うことのなり、私も連れて行くってことになり、なぜかコンパをすることになった。


彼氏がほしい知香にとって、今日は勝負の日。


高校生になったんだから、彼氏もほしくなるのもわかる。


テニスの部活で日焼けした知香が、とても健康的にみえる。


知香とは、同じクラスになり、席も隣になったことで仲良くなった。


気さくに話しかけてきた知香とはすぐに友達になった。


今まで、いつも由亜と行動をしていた私には、毎日がとても新鮮だった。


テニス部の話や、中学の頃の話。


何気ない会話がとても楽しい。


テストの成績を見せ合ったり、体育の授業、プールの授業。


当たり前の、高校生活を何も考えずに受けていた。


由亜のことを考えずに、自分のことだけを考えることができた。