茜色の奇跡

「やった!」

私は思わず口から声がでた

なんて馬鹿なんだろう

怖い先生の授業中くらいしーんとした状態だったこの場所で

物音ひとつたてても誰かが気づきそうなこの場所で

大声で叫んでしまった

もちろんみんな私に目を向ける

当然彼方くんも

みんなキョトンとしててさっきとは違うしーん…が続く

このままじゃどうしたらいいか分からなかったので私は取りあえずこのしーんを止めるため慌ててしゃべりだした

「あっ…とえっあすごいですね彼方くん全部命中させちゃって思わず声がでちゃいました…ハハ」

…ダメだ!どうにかしようと思って勢いでしゃべったもののなんにも変わんない!

しかもハハって…あーもう馬鹿すぎる自分が憎い!

そして私はうつむいて目をギュッと閉じる

その時

「あっっはははははは!」

誰かの大きな笑い声が聞こえた

それは彼方くんの笑い声だった

「やっぱ篠原は面白いな」

涙ぐみながらいう彼方くん

でもそれは笑いすぎによるもの

面白いって言われるのは特に嫌じゃないけど

…でもさ

「私本気で困ってたんだよ!!」

あまりに腹がたった私は大声で叫んだ