やっぱり嫌なのかなと思って

もう一回聞いてみることにして「彼方く…」と言い掛けたとき

彼方くんは口を挟んだ

「じゃあな篠原」

「あっえ…うんまた」

「早く寝ろよ」

私は子供ですか!

反抗しようとしたけどもういってしまった後で

結局彼方くんって本当によんでもいいのか聞けなかった

まぁいっか本人もいいっていってるし

向こうは篠原でいくみたいだけど

まぁいつか名前に…美優になるよね

美優ちゃんは…なんか恥ずかしい

あっさっきの彼方くんも恥ずかしいから戸惑ったのかな

きっとそうだ

なーんだじゃあ大丈夫彼方くんで



その時の私はあまりにも脳天気だったので

彼方くんが彼方くんと呼ばれるのがどれだけつらいものだったのか気づきもしなかった

それにこの時からあの事に気づいていればよかったんだ

そうすれば

きっとこんな風に傷つかなかった