うっすら見える月

日は沈みはじめ

世界が赤に包まれる

動いてるのか動いてないのか

それくらいの速さで進む大きい雲

ときたま向こうの工場からの煙が雲と同じように進んでいく

でも時がとまったような不思議な感覚に包まれる

このままとまったらいいのに

と思う反面早く時間が進めと思ってる

「篠原窓見るな黒板見ろそして早くこの問題を解け」

「わ…分かってますよ」

私は目の前にある黒板に目をやる

意味の分からない言葉意味の分からない数式

目が悪いわけでもないのに目を細めてしまう

そして前から深いため息が聞こえた

「なぁ…お前そんなんでよく高校受かったよな」

「はは…なんか怖いですね…」

受かったことも先生も

「怖いですねじゃない!お前後で職員室」

「えっ?やめてくださいよ」

「だめだ」

「勘弁してください…先生私には部活という名の生きがいが待ってるんです私の青春の1ページやぶるつもりですか?」