「幸樹ー、あーけーてー!」 ドアをノックしながら叫ぶ。 うるさいと文句が返ってくるが、 やっぱり俺はそんな事気にしない。 コッコッコッコッと、 軽く素早いノックを数回。 「こうちゃん出て来るまで、 お兄ちゃんここに居るからねー!」 再びコッコッコッと鳴らし、 携帯ゲームを取り出し、電源を入れる。 「お菓子あるよー、 こうちゃんの好きなサクサクのだよー」 時々、出てくる利点を上げながら、 俺はレベル上げに没頭する。 そうして、幸樹の隙を狙うんだ。