欲しいものはなんだっけ【BL】


その問いに、
当たり前じゃないかと頷いた。


そう、と幸樹は笑う。
小さい頃から馴染んでいた、
可愛らしい笑みじゃなくて、ニヤリと。

何でだろう、ゾクッとした。


後ずさろうとした俺を知ってか知らずか、
幸樹は俺の顎を掴まえて言う。

「じゃあ、仲良くしようか」

そうして唇に何か柔らかい物が触れる。

一瞬触れただけで離れていき、
今度は指で撫でられる。


「俺だって、
本当は仲良くしたかったんだよ。
もう、ずっとね」

「なら、なんで」

状況は一先ず置いて、
言葉にだけ反応を返す。


「しょうがないじゃん、
我慢してたんだから。
ああ、でも本当、どうしようか」


そう言ってまた、唇が触れあう。