下も脱いだ方がいいよな。
何も特徴の無いシャツよりも、
こっちの方がはっきりしてるし。
そう思って、ベルトを外して脱いでいった。
よし、これで満足だろ!
ドヤ顔で向き直ると、
幸樹はいつものように眉をひそめていた。
「何、脱いだじゃん。
あと何が足りないんだよー?」
さっきまで機嫌良さ気だったのに。
半分泣きそうに聞いてみれば、
幸樹はため息を一つ吐き、
そして顔を上げて言った。
「兄さんはさ、
俺と仲良くしたいんだよね?」
いっつも絡んでくるもんね。
そう幸樹は言う。
わかってるじゃないか!
「でもさ、俺の気持ちも考えてみてよ。
小さい頃は一緒に遊んでくれたのに、
いきなり冷たくなってさ。
どれだけショックだったか解る?
そんで今更優しくされてもさ、
元通りになんてなれる訳無いじゃん。
それでも仲良くしたいって、
まだ言える?」



