近づいていくと、 手を引かれて、 ストンと体が倒されて、 だけど頭に衝撃無くて、 見える物は天井になって。 あれ、なんで俺、 弟に押し倒されてんの……? 新たに視界に映るは、 ニコニコとした幸樹の笑顔。 本気で久々に見た。 おお、いいもん見た! そう喜んでいる俺の襟元を幸樹は掴んだ。 「えっ、いやちょ、えっ?」 当然、困惑する俺。 え、何。 何がしたいの幸樹さん? 戸惑い、その手を掴む俺に幸樹は言う。 「だって手伝ってくれるんだよね?」 とてもいい笑顔に、俺は頷く。 ……あれ?