小さい頃は、
弟はいつも俺の後ろをついて回った。

小学校に上がる頃には
それがうざったくてしょうがなかった。

友達とかくれんぼをするふりして、
そのまま置き去りにしたり、
弟のまだ乗れない自転車で遠出したりした。

それでもアイツは、
ずっと俺を慕っていたんだ。


俺にも庇護欲や、
責任感が再び芽生えた頃、
弟は俺から離れていった。

自分の経験からしても、
兄弟離れしたくなる時期だろう事は解っていた。

だけど急に離れていく弟を、
何故だか俺は恋しく思った。


だから世話を焼きまくった。

自分がやられたらうざったいと思う程に。