「ママが、じゅんちゃん引っ越したって言ってたから来てみたのに

昨日の夜から、携帯繋がらないし……綺麗なお姉さん出てくるし」



「違う! 李花
とりあえず部屋に入れよ? な?

他にも男とかいるからさ」


李花の腕を掴むと、「やめて」と振り払われた。

「李花?」

「あのお姉さん、一昨日一緒にいた人と同じ人?」


一昨日?
ああ、ヨシミちゃんか?


「違う! いいから、ゆっくり話しよう、な?」




二日酔いのせいで、うまく頭が働かねぇー





「違う女の人なの?
じゅんちゃん、何人と浮気したの?」


つけまつげで、更にデカくなってる李花の目から涙が零れる。



「浮気なんて……」


してないと、言い切れるか?



ユカリさんに触れられた頬、「カワイイ」と笑われて、太刀打ちできないようなキスシーン見せつけられて悔しくなった。

正確には、浮気なんてしてない
してないけど……




「なんで、黙るのぉ?
李花、じゅんちゃんに会いに来たのにぃー!」