なんで、俺の部屋にユカリさんが?
「ユカリ……本名教えるんじゃねーよ!
ところで例のモノは?」
「ありますよー、ちゃんとお仕事しましたー」
ユカリさんが敬礼した。
その後ろには、騒動の中心にあったはずのシルバーのジュラルミンケースが二つ。
「えっ?」
「ハハハッ! 俺に奪えないもんはない!」
「えー……
えっ?」
「淳一が単細胞でよかったよ。予想通りだ。任務完了。
二十億ゲットだぜ!」
ゼンが、俺の肩を抱く。
コイツ……
「楽勝、楽勝!
ユカリーっ、酒と寿司注文してくれ。
お疲れ様会やろーぜ。李花ちゃん、何か食べたいものある?」
「えーと、お寿司?
李花、ホタテ!」
「ホタテね。特上のでっかいの頼んでやって」
「はいはい」
えっ?


