携帯のアラームを言われた時間にセットした。



「じゅんちゃん! 何してるの?
ピザ食べようよ」


「おう」


ちゃぶ台にはピザとコーラーが並ぶ。

李花は嬉しそうだ。


「こっちのもう一枚のピザお隣さんに持っていってくれって頼まれたんだ。
あと十三分五十秒後に」

「十三分……?」


「そう、あと十三分四十三秒後に

だから先に食ってていいよ」


不思議そうに俺を見つめた李花を安心させてやりたくて、ニッコリ顔になる。
まさか、ここで本当のことを説明するわけもいかない。

俺は、とりあえず任務終了まで李花には何も伝えないと決めていた。


いったら余計な心配するだろうし……


「少し時間かかるかもしれないけど、大丈夫だから」


「ふーん、変なの……」


唇を尖らせた李花の頭をなでた。



自分が正しいと思ったことをやりたい。正義だなんてカッコつけるつもりもないけど、犯罪とか非日常的なことはごめんだ。



アイツが、間違ってるなら
俺はとことん邪魔してやる。


でも、もしアイツが間違ってなかったら?

何かの事情でアイツがこんな事をしているとしたら?


その可能性だってゼロではない。
そしたら……俺はアイツを受け入れてやれるのだろうか?