「社長、李花とのことなんですけど……」
社長が、俺の言いたいことを先読みしてニッと笑った。
「うまく仲直りしたんだろうな?」
「はい! おかげさまで」
「よかったな。お前と李花ちゃんは、よく似合ってる。結婚式には俺も呼べよ? ハハハ、まだ先かな? お前たち若いし
そうだ。
淳一、この後少しいいか?
見てもらいたいものがある」
社長は、一気にまくし立てた。
「この後?」
李花が、腹すかせて待ってんだけど……
「時間はかからない。
俺も仕事をまた一から始めたんだ。
特に今日は忙しい。
だけど、そんな日だからこそ
淳一を連れて行きたい場所がある」
社長に真剣に頼まれると嫌とは言えない。
「わかりました」