「って、マジでホテル?」


内藤部長に引きずられて到着したのは、マジでホテル。

ホテルニューヲータク

格式高い有名ホテル。
ドアマンが、金縁のガラスの扉を笑顔で開く。



「内藤部長、マジで勘弁してください!!」


「うっさいわね。付くもの付いてるんでしょ?
覚悟しなさい。行くわよ」


付いてるけど、これパワハラだよな?

立派な犯罪だよな?


嫌がる部下を、無理矢理ホテルに誘う上司。

しかも所長に売られてるんだから、アイツも共犯だ。





でも、待てよ。

うん、多分大丈夫だ。


腕を物凄い馬力で引きずられながらも、俺は自分の身を案じていた。



俺、絶対この人には反応しないよな。

何をされても絶対無反応。


そしたら、さすがの内藤部長でもドン引きしてやる気も失せるだろ。

だから、大丈夫だ。


いやいや
待てよ……


無反応の俺にキレて、急に男になって襲いかかってくるなんてことは……