「痛いっ!
ユカリ、踏んでる!」



「知ってますよ、わざとですから。仕事中に不謹慎な言動は慎みください。所長、企画部のみなさんがお待ちですよ。

ゼン所長は、皆様に信頼された素敵な上司ですから」

「いたっ! 痛い!」


酷でぇ……
ヒールがグリグリされてる。

でも、爽快。

ざまーみろ
下半身でモノ考えるとこうなるんだな?

俺も、気をつけよう。

って、そんなに困るほどモテたこともないけどな。



ユカリさんが、先頭に立って『会議室』というプレートがついた扉を開く。

中は近代的で、明るく空調のきいた立派な会議室だ。