タカシくんは、「うっ」と声をあげた。


「タカシくんこそ羨ましいよ。お気楽な清掃スタッフで。
DEMEKINなら大企業で倒産の心配もないし」



所長は、タカシくんをどうにかしたいのか?

ヨシミちゃんと別れさせたり、わざわざ新しい勤め先に俺たちを営業に送り込んだり。





「タカシくんさぁ……」


脳ミソフル回転させろ淳一。

何もわからないままアイツにコキ使われるのは、嫌だろう?


「ヨシミちゃんと結婚したら、一番何をしたかった? 多分、同じ事だと思うけど……」


声を潜めた。

城田部長は、こっちを気にしながらベンチにお座りしている。

忠犬ハチ公みたいだ。



「オマエ、ホストだったくせに武尊之の"あの噂"知ってるのか!? 武尊之の隠しているアレの話」