「城田部長、すみません。コイツ知り合いなんです……ちょっとだけ時間いいですか?」


「お友達でしたか! あっちで待ってます。すみません」


「友達なんかじゃありませんけど、すみません」


「仲が良さそうですね。すみません、あっちで待ってます。ぐふふ」


「すみません」



すみません、すみませんオンパレード。

やべぇ、俺も伝染してる。



「はぁん、腰かけ入社したのか? 高そうなスーツ着やがって、どうせヨシミと結婚したら辞めちまうんだろ。いーよな、お気楽野郎は」


俺は、タカシの真似してフンと鼻で笑い飛ばした。



「当然だろ、頭取にただのヒモ男なんて思われたら武尊之の重役には就かせてもらえないからな」


ダルそうに、ネクタイ緩めてタカシくんを睨み返す。

やべぇ

格好良さ狙ったのに
このネクタイ、フック式だった。