「ヤミ金業者って?」 質問を続ける俺に対して、残りのメンバーはそれぞれの仕事に取りかかるようだ。 「現在、日本で一番悪質と言われてる詐欺師だろうな。 その手口は、卑劣で巧妙だ。 奴のせいで、人生を棒に振るった人間は少なくはないだろう」 「それで? 所長は、どうするつもりなんだ?」 ゼン所長は、回転する椅子に座ると 長い足を華麗に組む。 「だーかーら! 一円も、払わねーって言ってんだろう。 俺の正体掴んで強請ってくるつもりなんだろうが、先に弱み掴んで潰してやる」