「内容は、びっくりぱなの売り上げ金の半分を寄越せってものよ」
力が脱けた。
また、びっくりぱなかよ!
「なんで、半分もやらなきゃならないんだよ? そんなの無視すればいいじゃねーか」
所長が、鋭い瞳で俺を睨み付ける。
「無視は、できない。
この脅迫状を送りつけてきた奴は相手が“この俺”だと知っている」
「そりゃ、知ってるだろ。
この事業所の所長はオマエしかいないんだから」
所長は、フンと鼻で笑うとクルと椅子を回転させて立ち上がる。
「淳一の言うとおりだ。
ここの所長は、俺だ」
カツカツと靴を鳴らして
やたらと似合うチョッキ姿で俺の目の前に立ち不敵に笑うアイツ。