「それから、余計なお世話かもしれないけど……」


ユカリさんが、振り返る。


今日も清楚な印象のスーツ姿。

素敵な人だ……


あんな適当な男には勿体ない。


「所長と付き合うのはやめといたほうがいいような気がします」


ユカリさんは、ジッと俺を見る。

迷惑だ……よな?

ユカリさんは少なくともアイツが好きな訳だし。

俺は、どう言い訳しようかとワシワシと頭を掻いた。



「ふふ、ありがと
私も、そう思う。

ミエちゃんも、ミユちゃんも本気で善太郎に惚れてるみたいだし

そういう女の子いっぱいいるものね。


着替え終わったら、また所長室に来てね。

ゼンの言いなりなるの淳一くんにとっては悪い話じゃないと思うから」


どういう意味だ?

ユカリさんは、清々しいほどの笑顔を見せた。

明らかに、無理をした作られた笑顔だった。