ハンガーにかかったままのリクルートスーツ。
新品だ。
今日は何をやらされるのか不安だし
びっくり椅子みたいなのに拘束されんのは嫌だ。
でも、アイツの元で働くユカリさんはいつもこんな目に遭わされてるのか?
「ユカリさん」
体が咄嗟に反応して、ユカリさんの手首を掴んだ。
「ユカリさんも、ヤバイ仕事したことあるんすか?」
俺が声を潜めると
ユカリさんは困ったように視線を彷徨わす。
「仕事だからって、アイツにいいように使われんの嫌なんです」
ユカリさんが、アイツに振り回されている姿を見るのもイヤだ。
ユカリさんは、小さく頷いた。
「手を離してもらってもいい?」
「あ、すみません」
俺は、慌ててユカリさんの腕を離す。


